別に熱心なファンではないのだが、
物心付いたときから見続けているからだろうか。
場所が始まると気になってしまう。
一種の刷り込みといってもいいかもしれん。
思えば俺が始めて憧れた人間は
千代の富士かもしれない。
幼いながらにも奴の強さには度肝を抜かれていた。
小さいが彫刻の様な肉体で、
でかい大乃国を投げ捨て、
気の弱そうな北天祐をいなし、
同じ横綱の旭富士にも何もさせなかった。
誰も掴めず、土も付かないため、
あのどす黒いまわしを8年間も変える必要がなかった。
こないだ引退した寺尾も、
千代の富士だけは別格に怖かったらしい。
貴乃花(当時は貴花田だったか)に負け、
「体力の限界」と引退したときに、
当時俺はまだ中学生だったが、
「大相撲は終わったな」
と、切に感じたのを覚えている。
そしてその予感は見事に的中した。
(巨人が落合を取ったときも同じ気持ちを味わった。
こちらの予感も見事に的中した。)
千代の富士がなぜ俺の憧れになったのか?
ずば抜けて強かった事。寡黙で、怖い格闘家だったこと。
今の朝青龍を見ているとそれだけじゃ駄目だって事が良くわかる。
「千代の富士にはライバルがいた」ってことだ。
優勝を争うような他の横綱や大関をなぎ倒して
全勝で優勝をかっさらう。
千代の富士の優勝には誰もが口を挟む余地がなかった。
(昔は全勝優勝がほとんどだったような気がする。)
そしてその強さにみんなが酔いしれたんだ。
今日本に朝青龍ほど「孤高」という言葉が似合う漢はいない。
圧倒的な強さを誇り、間違いなく大相撲ってもんを
体現している横綱なんだ。
だけどその相手になる奴が角番を行ったりきたりしている
ふがいない大関だけなんだ。
勝つのが当たり前のようになって、
今じゃ負けた番狂わせのほうが盛り上がるって
状況になっちまった。
強い力士の登場を望んでいるのは
相手もなく、勝って当たり前という状況の中での
7場所連続優勝、(しかも年間完全制覇!)
という前人未踏の偉業を成し遂げたこの
名横綱自身だと思われる。
完全制覇というでかい目標を達成した後の今場所。
4敗を喫して優勝を逃した事で俺は思った。
朝青龍は既に他の力士との勝負ではなく
自分自身と戦ってる。と
彼の相手は目の前の力士ではなくて
自分自身で掲げた目標なんじゃないか?
そりゃ年間完全制覇したら気も抜けるわな。と
勝手に解釈しているところですが。
一人相撲って言葉があるけど、
まさに朝青龍の事だと思いませんか。
ううむ、あまりにも惜しいですな。
今の相撲界の状況を見てみても、
琴欧州や(まあこいつは強いけど、)
高見盛、その他水戸泉を真似て塩をたんと撒く
輩等々、勝負の世界から関係ないところで
盛り上がっているみたいだから
いっそのこと、朝青龍にはどこぞの横綱とは違い、
現役バリバリの内に、相撲から格闘技に転向して、
相撲最強説の確立に努めて欲しいと
個人的には切に願うところであります。
ちなみに今は安馬という力士を応援しています。
こいつはちいさいのに、でかい力士に真っ向勝負っていう
とってもスパルタンなおすもうさんです。
見ていて気持ちが良いのとあわせて、
最近強くなってきて楽しみですな。
久々の更新でしたが
とてもディープな独りよがりになってしまいました。
またみてね。

